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被害妄想に幻聴…実母は認知症疑い

70代後半の実母には明らかに認知症と思われる症状がいくつか出ています。

実は2年ほど前から疑わしい症状はあらわれていたのですが…

なぜ認知症だと断言できないのかというと、本人が病院での診断をかたくなに拒否しているからです。

はたからみて明らかに発言している内容が異常でも、本人の中ではそれは全て現実に起こっていることであり、なぜ周囲が信じてくれないのかと逆に腹立たしくさえ感じています。

一方、まわりの家族は認知症の症状で変わってしまった姿に戸惑いや困惑といったなんともいえない様々な思いが芽生えます。

認知症だと疑われている本人にも、周囲の家族にもたくさんの葛藤があるのです。

認知症のサイン・主な症状

そもそも認知症にはアルツハイマー型認知症や血管性認知症、レビー小体型認知症前頭側頭型認知症などいくつかの種類が存在します。

認知症の種類によって、原因や代表的な症状、進行スピードなどが異なるのです。

ここでは認知症のサインや主な症状を紹介します。

【参考:認知症|こころの情報サイト (ncnp.go.jp)

まず、認知症の症状は記憶障害や見当識障害、理解力・判断力の低下などの中核症状行動・心理症状に大別できます。

中核症状

物忘れ (記憶障害)

例えば…

  • 数分前、数時間前のできごとをすぐに忘れる
  • 同じことを何度も言う・聞く
  • しまい忘れや置き忘れが増えて、いつも探し物をしている
時間・場所が分からなくなる (見当識障害)

例えば…

  • 日付や曜日が分からなくなる
  • 慣れた道で迷うことがある
  • 出来事の前後関係がわからなくなる
理解力・判断力が低下する

例えば…

  • 手続きや貯金の出し入れができなくなる
  • 状況や説明が理解できなくなる
  • 運転などのミスが多くなる
仕事や家事・趣味、身の回りのことができなくなる

例えば…

  • 仕事や家事・趣味の段取りが悪くなる、時間がかかる
  • 調理の味付けを間違える、掃除や洗濯がきちんとできなくなる
  • 身だしなみを構わなくなる

行動・心理症状

行動・心理症状には次のようなものが挙げられます。

  • 不安、一人になると怖がったり寂しがったりする
  • 憂うつでふさぎこむ、何をするのも億劫がる
  • 怒りっぽくなる、イライラ、些細なことで腹を立てる
  • 誰もいないのに、誰かがいると主張する(幻視)
  • 自分のものを誰かに盗まれたと疑う(もの盗られ妄想)
  • 目的を持って外出しても途中で忘れてしまい帰れなくなる

はじまりは母の被害妄想・幻聴

はじまりは2年前、母からの電話での告白ではじまりました。

わかばが学生時代だった昔、実は父が浮気していたという内容です。(この点は妄想でなく実話)

近頃、過去の浮気相手と父親が連絡を取り合っていて、夜中に物音がしていて頻繁に自宅敷地内にも入ってきているようだというのです。

最初はありえない話だと思い、父も交えて家族で話し合いも行いました。

父はそんな事実はないと否定しますが、母は一向に耳を貸しません。

事実なのか、認知症からくる妄想なのか、過去のトラウマからくる心の病なのか…姉と頭を抱えて悩みました。

どうやればそんな事実がないと母に証明できるのか、母親の不安な感情を取り除けるのか…

別居している姉や私が夜に泊まりがけで様子を見に行ったりもしました。

風で家がきしむような音などはしましたが明らかに自宅の敷地内に誰かが入ってきている様子はありません。

宿泊したけど何も変わった様子がないと伝えるも、母はまったく納得しません。

どうしようもなく、母親の意見も聞きながら家族で再度話し合った結果、自宅の玄関前監視カメラを取り付けることにしました。

しかし、このよかれと思って実行した行為が母の妄想に拍車をかけるとはこの時には思いもしませんでした。

監視カメラが妄想には逆効果になった

自宅敷地内に父の浮気相手が侵入してきていると完全に信じ込んでいる母親です。

監視カメラを設置するなり、日々カメラの映像に執着するようになりました。

ちなみに監視カメラは大手家電店で購入して設置してもらったもので、警備会社に委託しているものではありません。

玄関で人の動きなどの反応を察知すると、数十秒間録画してくるというものです。

撮影が始まると監視モニターから「ピーッ」という音が鳴ります。

母は毎日この監視モニターを自分の近くに置いては時々チェックしているようでした。

「また昨夜も来ていたのよ」

わかばが自宅に訪問するたびに母は録画された映像を見せてきます。

しかし、何か光の筋のようなものは映っていても、人が実際に映っていたことは一度もありませんでした。

なぜそのような映像が何度も録画されたのか結局は判明していませんが、カメラの精度も関係しているのかもしれません。

誰も映っていないことを説得しましたが、監視カメラが反応したことにより、母の頭の中の想像が確信に変わってしまいました。

また、この状況と同時に、父が自分の財布からお金を抜いているんじゃないか、自分の私物がなくなっているので父が盗ったのではないかという発言も出てきていました。

この時点で日常の生活においては物忘れが原因で生活に支障を及ぼしてはいませんでした。

しかし、この被害妄想に関してだけは明らかに冷静に物事を判断できなくなっています

正確に医療機関の診断は降りていませんが、これらの状況からも母はほぼ間違いなく認知症なのではないかと考えています。

診療を拒む母、見えない出口

2年前も被害妄想で騒ぎ立てる母に対して、姉と2人で医療機関での診察を勧めました。

「私の言っていることが正しい、信じてくれない」

母は診察を拒み、激高しました。

「これは私達夫婦の問題だから、自分達で折り合いを付けてなんとかしていくから」という母。

私達姉妹が診察を勧めたせいか、それ以降は母が大きく騒ぎ立てることは少なくなりました。

一方で「また昨夜庭に父の相手が来ていた」「相手が電話でワン切りしてくる」「自分のものやお金がなくなっていた」などと、私が実家に寄った際に時々ぼやいたりもします。

両親と別居だから把握していないだけで、実は母の症状はひどくなっていて、父もかなり困っているのではないか…という悪い想像もできます。

実は最近も母が自分の物忘れを自覚してきたことにかこつけて、「物忘れ外来」という名目で診察をしてみないかと誘ってみました。

あまり期待はしていませんでしたが、やはり答えは「NO」。

もちろん本人の性格によるところも大きいのですが、認知症疑いの親族がいる家族にとって自分の意思で医療機関で診察をしてもらうことはかなりハードルが高いのです。

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